踏切の安全対策について調べてみたので。

おはようございます。カメさんです。

電車に乗っている際、突然ブレーキが掛かって急停車する。そして車掌のアナウンスが入る。
「只今踏切内の安全確認を行っております。発車まで今しばらくお待ち下さい。」
⇒電車で通勤通学していると、時々遭遇するシチュエーションです。
先日には京急線でも踏切衝突事故が発生している。今回は踏切事故を防止する安全対策について振り返ってみたいと思います。

1.踏切障害物検知装置

踏切の前後に車や歩行者を検知する赤外線やレーザー光線のセンサーが設置されている。センサーが反応すると付近を走る列車へ危険を知らせる信号を送ると同時にATS(自動列車停車装置)を作動させる。
欠点としてはセンサーが照射されていない範囲については検知できない照射が数秒以上遮断されないと検知されない、等がある。その為より検出精度を高めた3Dレーザーレーダー式センサーを採用している踏切もある。

2.非常停止ボタン

踏切横に設置されている非常ボタンを押すと、付近を走る列車へ危険を知らせる信号を送ると同時にATSを作動させる。
その後係員や乗務員による現場の安全確認を行った上での復帰操作が別途必要となるので、運行再開に時間が掛かるのが欠点。

安全確認後に運輸指令所に連絡する為の電話機が設置されていることもある。

3.特殊信号発光機・踏切動作反応灯

運転士に緊急停止を促す特殊信号機。踏切の手前に設置されており、作動時は赤く点灯して危険を知らせる。×印の踏切動作反応灯は、踏切遮断機が正常に作動していることを知らせる。

実は埼京線には構内信号機が存在しない。埼京線の電車にはATACS(アタックス)という列車保安装置が採用されている。列車運行に関わる制御が自動で行われる他、踏切異常の信号検知~緊急停止もこのATACSによって自動で行われる。
※ATACSが導入されているのは、首都圏では埼京線の池袋~大宮間のみ。

4.警報機&遮断機

警報機が鳴り出してから遮断機が下りるまでの時間が15秒、遮断機が下りてから列車が到達するまでの時間が20秒、合計35秒が標準とされている。
「100㎞/hで走行中の列車が異常検知~非常ブレーキ作動~緊急停止するまで25秒掛かる」らしいので、踏切内に閉じ込められたのを見たら迷わず非常停止ボタンを押すべきです。

踏切手前では一時停止。警報機が鳴り出したら踏切内へは進入禁止。踏切内では途中で停止せずに一気に横断する。
万が一踏切内に閉じ込められた場合は、(折れても良いので)遮断桿を車で押して前進し脱出する
⇒自動車教習の検定でも、踏切内で停止すると一発不合格だったと思います。

踏切に自動車用信号機が設置されている箇所もあります。青信号であれば踏切前で一時停止せずに通行可能です。もちろん踏切内での停止は厳禁。

ラッシュ時間帯に「開かずの踏切」となる箇所では「踏切警手」が常駐し、安全確認を行いつつ踏切遮断時間を調整する場合もある。踏切警手の詰所が踏切脇に設置されています。※十条踏切では現在、踏切警手による遮断時間調整は行われていない模様。

地方のローカル線では、遮断機や警報機がない踏切もよく見かけます。

これだけの安全対策がなされているにも関らず踏切事故は起こる。そして重大事故に発展するケースが多い。全て廃止するのが望ましいが、全国に設置されている踏切の数は3万を超えているので現実的でない。

新規路線では、鉄道と車道が完全に分離される「立体交差構造」で建設されるルールになっている。踏切の新規設置は原則認められていない。
既存路線においても危険な踏切の廃止は進められているが、住宅密集地域や地方のローカル線区では依然多くの踏切が残っている。踏切の通行ルールを守って上手に付き合っていくしかない。無理な横断は絶対に止めましょう。

(参考)踏切あれこれ HP



2019/11/21 追記

先日、早朝の駅ホームから酔っぱらいが線路に落ちホームの非常停止ボタンを作動させる一幕がありました。カメさんも駅係員への連絡を応援。イタズラで押す人も多そうな非常停止ボタンですが、いざという時は心強いなと改めて感じました。

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