北東北3県周遊 乗り鉄の旅を振り返って。(第9回・終)

こんばんは。カメさんです。

秋田内陸線に乗車中。角館を出てからしばらく走ると、長いトンネルの区間へ差し掛かります。約7分掛けてトンネルを通過すると…。






2020/10/28(最終日)角館~阿仁マタギ

山に囲まれた秘境・阿仁マタギ駅に到着。ここにきた理由は2つ。1つは今回の旅でまだ一度も『温泉』に浸かっていないこと。そしてもう一つはマタギの『狩猟文化』に触れてみたいと思ったこと。


アニメ・ゴールデンカムイを観ていたので、ちょっと興味があったのである。

最後の乗客だったカメさん。ホームから乗ってきた列車を見送る。

地元農民からの熱烈歓迎。(案山子です。)



駅の待合室に飾られていたポスターや、子熊の剥製。秘境駅らしく駅ノートもありました。


阿仁マタギ駅までバスで迎えに来てもらいました。『打当(うっとう)温泉 マタギの湯』に到着です。

温泉に浸かる前に、館内の食堂でカレーを食べる。熊鍋定食(3200円)、折角だから食べておけば良かったかな?ちょっと後悔している。

温泉タイム。山景色の中で楽しめる源泉掛け流しの露天風呂。特に印象に残っているのはお湯がめちゃくちゃ熱かったこと。豪雪地の温泉なので熱めがデフォルトなのか?とも思ったが、同じ湯船に浸かっていた地元のお爺さんも「ここのお湯は熱いね!」と話していた。どうやら関係ないようだ。あまり長湯もできず、そそくさと退散する。

続いて、館内に併設されたマタギ資料館を見学する。

○マタギとは…? ~館内紹介文より抜粋~

・主に東北地方の山岳地帯で、昔からの方法を用いて集団で狩猟を行う者である。
・他の猟師と異なるのは、古い伝説と独特の信仰を継承してきた集団であること。近代的な装備の狩猟者(ハンター)とは異なるものである。
・北国のきびしい自然の中で山の神を信じながら暮らし、熊や鹿などの大型の獣を、古くからの伝統と作法のもとに共同で狩猟した人々をさす。



世界におけるマタギの活躍について書かれた新聞記事が掲示されている。かなり生々しい写真も。


展示物の音声ガイドをスマートフォンから流すことができる。外国語にも対応。これは便利。


マタギの生活の様子や、使用していた鉄砲が展示されている。


マタギが狩猟する動物。中でも熊は貴重で、毛皮以外にも肉・内臓・血・骨、ほぼ全ての部位を薬品&食用用途としている。

マタギが山に入った際に使う『山ことば』。山の神を敬う配慮と、獲物に気づかれないようにする隠密の為、日常生活の汚れを祓うのに使用すると言われている。

狩りに出発する前には、シカリの家にマタギが集まって水ごり(冷水を浴びる)や御神酒の回し飲みをして身を清める。山神社にて山の神に御神酒をあげて、猟の成功と仲間の無事を祈る。一度山に入ると、10日位下山しないこともあるという。
予め決められた役割分担に沿って多人数で獲物を追い立てる『巻狩り』は、マタギ狩猟の特色。

~マタギの役割分担~
・シカリ…マタギを統率するリーダー
・ムカイマッテ…見張り&全体の行動の合図役(シカリが兼ねることもある)
・ブッパ…銃を持った射手
・セコ…銃を持たない獲物の追い出し役


巻狩りの方法にもいくつかあるが、最も多く行われるのは『上り巻』。⇒野生動物には山上に向かって逃げる習性がある為。

シカリは全体が見渡せる場所について、狩りの指示を出す。
 ↓
合図を受けたセコが、大声を上げて山を登りながら獲物の熊を追い出しに掛かる。
ブッパは指示があるまで山の尾根でじっと動かずに立っている。(木化けという)
 ↓
熊が出るとムカイマッテはその位置や方向を全員に伝える。
 ↓
熊が近づいたらブッパに合図を送り、獲物を近づけてから銃で確実に仕留める。
 
仕留めた後は、ケボカイの儀式を通じて熊を弔い、解体作業に入る。その肉を焚き火で焼いて山の神へ供えた後、シカリから順にマタギ全員で食べる。

古くから伝わる掟に従ってマタギは狩りを行う。山の恵みを必要な分だけもらい、余分にはもらわない。山と共存する『自然崇拝』の思想は現代までしっかり受け継がれているのである。


資料館を出て、帰りのバスの時間までロビーで読書。『マタギ列伝』を読む。作者は『釣りキチ三平』でも有名な矢口高雄。漫画喫茶で見掛けたら全巻読んでみたい。


再び阿仁マタギ駅へ。乗客は自分含めて3人。マタギの湯の近くにあったクマの動物園『くまくま園』を訪れていた熊ガールと話す。



やってきた急行列車に乗って角館駅まで戻り、更に新幹線に乗り継ぎます。短いようで長かった3日間の旅もこれで終わり…。

ではなく、盛岡駅で途中下車


最後にどうしても岩手グルメを食べて〆たかった。寒かったので盛岡「温」麺を食べましたが、やっぱり冷麺の方が美味しいと思う。

鉄道での遠出旅は1年以上ぶりでしたが、今回は鉄道三昧ではなく観光も充実して楽しめたのが良かった気がします。コロナ渦が落ち着いたら、次は山陽地方に行きたいと思っております。

おまけに続きます。

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