川崎臨海部の交通事情について調べてみたので。

こんにちは。カメさんです。

バスが高頻度で発着する川崎駅前に最近変化が見られます。それは…、

今春に登場した「川崎BRT(バス・ラピッド・トランジット)」です。朝夕ラッシュの時間帯に川崎駅~水江町間にて運行中。


BRTバスの全長は約18メートル。バス運転手は1名のまま、2両のバスを連節することで定員数を増やしています。神奈川では藤沢市湘南台や横浜みなとみらいでBRTの運行実績有り。

BRTが導入できるのは広い大通りがあるおかげ。ではなぜ川崎臨海部の道路はこんなに広いのでしょうか?


それは戦後の一時期、川崎市交通局が運行していた「川崎トロリーバス」と「川崎市電(路面電車)」の軌道跡を利用しているから。

その昔川崎トロリーバス&川崎市電が発着していたのは、川崎駅前のMORE’Sビルの付近。川崎トロリーバスと川崎BRTの運行経路はほとんど同じ(但し川崎BRTは快速運転実施)。

川崎駅前から渡田・小田栄を経由して浜川崎まで結ぶ市電通りは、川崎市電の軌道跡を利用した大通りです。

川崎市電営業末期の終点・桜本駅。産業道路沿いには桜本駅前という名のバス停が残っています。軌道跡を利用して作られた公園が現存しています(臨港警察署や川崎コストコの近く)。

さらに昔、川崎市電の終点だったのが塩浜駅です。営業当時は塩浜駅で京浜電鉄(現:京急線)に接続し、川崎臨海部を鉄道で一周できたそうです。但し、朝夕ラッシュ時間帯以外の利用が少なく営業不振だったらしい。

現在の京急大師線の終点・小島新田駅。かつてここから塩浜駅まで線路は伸びていました。

小島新田~塩浜駅間の廃止理由は、東海道貨物線と塩浜操車場(現・川崎貨物駅)建設における支障となったから。現在は沢山の通勤客が小島新田駅前の跨線橋を徒歩で渡って貨物線を越える姿がみられます。

川崎トロリーバス&市電廃止後、川崎市営の公共交通はバスに一本化されて現在へと至ります。日中時間帯の運行本数が多くて待たずに乗れる&朝夕ラッシュ時間帯には特急&急行運転もされるので便利ですね。

他にも、羽田空港と川崎臨海部を直結する「多摩川スカイブリッジ」が昨年開通。羽田空港へのアクセスが更に便利になりました。サイクリングロードとしても魅力的。

そして東扇島への新たなアクセス手段となる、海を渡る巨大な橋が水江町にて建設中。こちらは2024年完成予定。現在唯一のアクセス路である川崎港海底トンネルは築50年が過ぎて老朽化が目立っています。この橋が開通すればトンネルを通行止にした大規模修繕も可能になったり、川崎臨海部の渋滞緩和にも繋がるはず。川崎BRTもこの橋を渡って東扇島を目指すと思われます。

他にも本当に実現するのか未知数ですが、川崎市内の東海道貨物線を旅客化する話があったり。そして川崎市の交通網の弱点は、市内を縦断する交通手段が乏しいこと。「川崎縦貫道路」の早期建設に期待しています。

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