関東近郊のモノレールについて語ってみたので。(前編)

おはようございます。カメさんです。

GWの交通情報では、江の電混雑のニュースが流れていた。

江の電は神奈川県の藤沢と鎌倉を江の島経由で結ぶ路面電車。普段は地域輸送メインの路線であるが、観光地の鎌倉・江の島を結んでいたり、海沿いの景色が続く区間や上写真のように車道上を走行する区間も存在するなど、見所が多く観光シーズンは混雑する。
また東海道線や横須賀線が運休した際には唯一のバイパス路線になるので、やはり混雑する。

江の島に行く手段は、江の電以外にも複数存在する。藤沢~片瀬江の島を結ぶ小田急線(ロマンスカーも走る)、大船・藤沢・辻堂~江の島間を結ぶ江の電バスもあるが、今回は湘南モノレールを挙げてみたい。
ついでに関東近郊で乗車できるモノレールについても、順に紹介していこうと思う。
※今回の記事では2011年当時の写真を使用している。中には現在引退した車両や、現状と合っていない場面があるかもしれないので、ご了承下さい。

1.湘南モノレール
湘南モノレールは大船~江ノ島間をほぼ最短距離で結んだ路線。懸垂式モノレールと呼ばれる形式で、レールの下に車両がぶら下がっているのが特徴。全線単線の路線ではあるが、行き違い交換可能な駅が多く存在するので運行密度は高い(最短7分半間隔)。

路線は高低差のある丘陵地帯を走っており、トンネルも存在する。何となく絶叫マシンに乗っているかのような迫力も味わえる。マンションや高級住宅が密集した地域である為ラッシュ時間帯はかなり混雑もする。
元々京急が所有していた自動車専用道路(現在は廃止され、鎌倉&藤沢市道となっている)に沿ってモノレールは建設されている。懸垂式モノレールのモデルとして三菱グループが総力を挙げて建設に携わったとされている。

終点の湘南江の島駅。当時は質素な駅ビルで階段の上り下りも大変だった記憶があるが、昨年駅ビル更新されてエレベーターも設置された模様。あー、久々に乗りたくなった。

2.多摩都市モノレール
多摩都市モノレールは東京都多摩地区の東大和市~立川~高幡不動~多摩センターを結ぶ路線。開業は1998年と比較的新しい。
⇒全線複線。当初から全駅バリアフリー、ホームドアも設置済。
公共交通手段の乏しかった多摩丘陵を縦断する路線であり、通勤通学路線の色が強い。

跨座式(日本跨座式)モノレールと呼ばれる形式を採用しており、レールの上を車両が跨いで走行するのが特徴。⇒近年開業しているモノレールは全て日本跨座式を標準としており、海外への輸出実績もある。
開業から赤字が続いていた多摩都市モノレールであったが、大株主である東京都の追加出資や沿線開発の進捗が功を奏して黒字転換に成功している。町田・八王子・箱根ヶ崎方面への延伸計画も存在し、将来的に伸びしろのあるモノレール路線だと言える。

3.東京モノレール
山手線の浜松町駅と羽田空港ターミナルを結ぶのが東京モノレール。東京近郊で飛行機に乗ったことある人なら誰もが乗車したことがあるのでは?形式は跨座式(日立アルヴェーグ式)。浜松町駅付近を除いて複線。
開業は1964年。⇒前回の東京オリンピックに合わせて羽田と都心のアクセス手段として突貫工事で建設されたモノレール路線。当初は新橋駅をターミナルにする予定だったが用地が確保できず、現在の浜松町駅をターミナルとしている。

長らく羽田空港ターミナル唯一の鉄道交通だったが、1998年に京急が羽田空港へ乗入開始後は熾烈な競争に晒されている。
JRの子会社となり対抗策は講じている(浜松町駅での京浜東北線の快速停車&モノレール乗換改札の設置、ノンストップ空港快速運転など)が、元々高額な建設費で運賃が割高であったのと、モノレールの為最高速度が低いこともあり、所要時間と運賃の両面で京急に劣ってしまっているのが実情。
今後JRが羽田アクセス新線を運行開始した場合でも、空港施設関係者や昭和島の通勤需要と大井競馬場への行楽需要がある為、廃止になることは無さそう。本数は減るのかもしれませんが。

後編に続きます。




2021.10.4 追記

藤沢~江ノ島~大船間を移動するべく、江ノ電&湘南モノレールを10年ぶりに利用しました。江ノ電藤沢駅のホームは、小田急百貨店の2階部分にあります。


江ノ電江ノ島駅とモノレールの湘南江の島駅は、国道を挟んだ向かい側に立地しています。

ホームは地上5階の高さに位置しますが、10年前とは違って駅ビルがリニューアルされており、エスカレーター&エレベーターで楽にアクセスできるようになっています。
車両も全て新型に置き換わり、バリアフリー化への対応が完了しています。

車窓から山の上に建ち並ぶ西鎌倉の高級住宅街を望みます。

終点・大船駅まで14分の空中散歩でした。

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