連続ブログ小説～裏切りのモアイ像～（後編）

おはようございます。カメさんです。

余談ですが山崎の使っている銃は、ウルトラマンに出てくる科特隊の制式光線銃『スーパーガン』です。あの最強怪獣ゼットンも倒せる無重力弾を撃つことが可能です。これでエンドマークだ！

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モアイ像に何か秘密があると考えた山崎は、アジトにてパンサー族についての古文書を調べ始める。
パンサー族は１５世紀頃に魔女狩りの影響を受け滅亡した『呪術』に長けた一族であった。その呪術の力は新月の夜に最も強くなるらしい。明日の夜は新月。カメさんが動くとしたら明日の夜に違いない。そしてもし現れるとしたら…？

翌日の夕方、山崎はかつてパンサー族の領土だった東扇島へと足を運ぶ。島の東端にある岬にはパンサー族が祈祷に使用していた遺跡がある。そしてそこはパンサー族終焉の地でもあるのだ。カメさんはきっと現れるはず。日も暮れ始め、周囲は新月の夜の闇に包まれようとしていた。

東端の岬へ到着。するとモアイ像に向けて祈りを捧げるカメさんの姿を発見する。

カ「パンサー族よ　エレガミヨ　エレガミヨ…」

カメさんはモアイ像に最初に触れたことでパンサー族の呪いを受けてしまっていた。そして新月の夜、呪いに操られるがまま自らの命を糧にパンサー族を復活させる儀式を執り行おうとしていたのだった。

山「目を覚ますんだ！カメさん！」

山崎は操られたカメさんを正気に戻すべく最後の戦いに挑む。その手には加藤の形見である青色の刃を持っていた。２撃、３撃と刃がぶつかり合う度に凄まじい閃光と衝撃音が木霊する。

激しい剣戟の末、怒りに燃える山崎の渾身の一撃はカメさんの刃を弾き飛ばした。その一瞬の隙を逃さずカメさんに刃を突き立てて追撃する山崎。

だが突然夕日で深紅に染まった空が割れて、カメさんの頭上に稲妻が落ちた。

気が付くとカメさんは黒い獣（パンサー）の姿へと変化を遂げていた。

青色の刃はカメさんの体を捉えているもののダメージを受けた様子は見られない。凶暴な不死身の獣と化したカメさんに次第に追い詰められる山崎。どうすればこの獣を止められるのか？その時山崎は、地面に置かれたモアイ像を見つける。

咄嗟の機転で、呪いの源である伝説のモアイ像を銃で撃ち抜く山崎。

呪いが消えた影響で、のたうち回りながら元の姿へ戻っていくカメさん。こうして戦いは終わった。

元の姿に戻ったカメさんであったが、呪いを受けていた間の記憶はしっかりと残っていた。加藤を殺してしまった罪の意識に苛まれたカメさんは静かに自刃する。

結局宝を手にすることもハンター仲間を救うことも叶わなかった山崎は、遥か海の向こうを眺めつつ一人涙を流すのだった。

THE　END

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